プラスαの英文法

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高1英語教科書(三省堂クラウン)の和訳に挑戦 Lesson2

Does It Spark Joy?

 近藤麻理恵は整理整頓のコンサルタントで自分の部屋をきれいに片付けなさいよという。彼女の主張は、置いておくべきものというのはワクワクさせてくれるものに限るということだ。

 物を収集するというのは人間の性質だ。たくさんのカラフルなペン、新しいパンツ、流行のTシャツ、かっこいいスニーカーなど。買ったときはそうした物を大変気に入っている。しかしそれらを引き出しや押し入れにしまいそのことを忘れてしまうのだ。

 間も無く私たちの空間は多くのもので満たされてしまう。引き出しの中のたくさんの靴下、押入れの中のたくさんのシューズ、そして本、本、本。それはストレスの元になる。私たちにとって所有物というのは頭痛の種だ。何をすべきか。

 近藤麻理恵(略して、こんまり)には一つの解決法がある。幼い頃から彼女は自分の部屋をきちんと片付けておくのが好きだった。そして身の回りを整理する方法に関する記事に取り憑かれたのだった。自分の部屋を整理するだけでなく、妹の部屋まで清掃しさっぱりとさせたのであった。

 大学在学中に、こんまりは日本で掃除コンサルタントとして働き始めた。そして2014年にはこんまりメソッドを紹介するために渡米した。懸命に働き続け、彼女のメソッドは世界中で大成功となったのだ。

 こんまりが最も重要な原則の一つとしているのがこうだ。「ワクワクさせるものだけを保管する」。

 彼女の顧客の中には、読まれていない本をたくさん持っている人がいる。だが、彼(女)らはどれを保管し、どれを破棄するかわからない。おそらくいつか読むつもりなのだろう。しかしそのいつかは決して来ない。こんまりのアドバイスは、各々の本を手にとってみてワクワクするならそれを置いておきなさいというものだ。そうでなければ捨てなさいということだ。しかし忘れずに言わないといけない、「良きサービスをありがとう」と。

 彼女は加える。あなたがその本を読まなかったとしてもそれから何かを知ったのだ。その本は必要でなかったことを知ったのだ。

 同じことが全ての所有物にも当てはまる。それが、清掃を始める方法なのだ。

 こんまりは物を容赦なく捨てろと言ってはいない。彼女は所有物を生き物のように扱っている。ある日の高校生だった頃、新しい携帯電話を買っている。その時彼女は、古い携帯にあるメッセージを送った。「長年世話をし続けてくれてありがとう」と。古い携帯はすぐに鳴り響き、文字をチェックした。もちろん彼女の送ったメッセージだった。古い携帯に向かって言った。「すごいわ、私のメッセージがあなたに届いたのよ」。そうして彼女はそれを閉じたのだった。

 しばらくして古い携帯を開くと、空白の画面を見て驚いた。彼女の古い携帯はメッセージを受けた後死んだのだった。役目は終わったのだ。

 こんまりはそれが、たんに偶然の一致であることを認めている。しかしそのことが、物を捨てるときでさえ、所有物に敬意を示すべきだいう彼女の考えを現しているのだ。そして所有物と親密な関係が持てる。

 私たちの身の回りのものは、私たちが選んだものである。それらを取り除くのが難しいことは言うまでもない。こんまりが私たちに自問自答してみなさいという。「過去への執着あるいは未来への恐怖が理由でこれを捨て去ることに悩んでいるの?」その問いに答えれば私たちは人生の価値を見出せるであろう。

 きれいさっぱりにするというのは、私たちの空間を過ごしやすくする方法にとどまらない。自分の価値観を設定し、将来を決定する方法でもあるのだ。部屋を整理すると、優先順位を設定するようになるのだ。こうして、身の回りをきちんとしておけば、生活さらには仕事、家族にまでしっかり影響を及ぼすことになるのだ。さっぱりさせると私たちの人生まで変えることができる。

 もし未来に不安があるのなら物を整理することから始めなさい。あなたが本当に関心を持っているのはなんですか?将来、何をしたいのですか?挑戦してみましょう。